回転装置/霜天
止まれない らしいよ
僕らが乗っている回転装置
呼吸のたびに
くるくる
気付かれないくらいの速度で
くるくる
回ってるんだって
木馬はもういない
回る勢いで駆けていったから
街のスプリンクラー
空で今日も回転していて
降らせたそばから乾燥していくんだって
くるくる
また空に昇って
スプリンクラーは飲み込んでいる
ばあっとばらまくと
冷たいって誰かが怒ってる
僕らの真ん中
芯のあたりで
くるくる
回っているんだって
前に後ろに繋がっては帰ってきて
一度触れては
なくすことに切ないと言ったり
見つけることに震えてみたり
坂道の繰り返しを
上っては降りているんだって
ほら
木馬だって帰ってくる
止まらない らしいよ
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