残酷生活/A道化
夜から朝の為に空いたボトル押し退けたら
ふらふらの激しさが昼の為のコップ倒した
テーブル掛けの端で
黄色い花柄、千切れ
そこから床へ滴るも
滴るも、美しい麦茶
息の要らないほどの
その薄い液面さえをも
弄び笑う夏のちらちら
戸外の揚羽蝶映し遊び
毎滴崩れる液面の端で
揚羽蝶千切れちらちら
思わず、思わず踏み入れた素足、ヒタリ、浸り
音も無く逃げた夏を見回すも架空じみた窓硝子
素足下の清さをも信じられず架空だったと疑い
嗚呼何もかも架空だった、確かなのは今滴る麦茶のみ
足の甲へ今滴る、今滴る、今滴るこの一滴の麦茶のみ
それでも私は足の甲の美しい麦茶までも振り払ってしまうだろう
夏が飛び逝くのを待たず、単に夜がただひとつでも来さえすれば
結局のところ、空虚だった
そう思うしかない麦茶から
ヒタリ、そっと、飛び降り
最初からきちんと汚れたアルコールで
嗚呼、私、全心打撲を重ねるのだろう
2004.7.31.
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