宛先不知/AB(なかほど)
残暑見舞い申し上げます
少女だったあなたと出会ったときから
もう何回目かの夏が過ぎてゆきます
白い制服と 浅黒い笑顔
ぼんやりと胸に残っています
会わなくなって何年も経った
晩夏の明け方に
あなたの夢を見たことがあります
僕一人であなたを幸せにしようなんて
考えてた頃の君の姿でした
なぜでしょうか
思い出、記憶、面影
全てが鮮明 に
と
思った瞬間
全てが朧げに
残暑見舞い申し上げます
あなたはどこの町で
過ぎゆく夏を見ているのでしょうか
こちらでもようやく
蜩の声が聞こえてきました
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