出発時刻/祐伸
飲みかけのコーヒーに予感めいたものを感じる
つまりブラックは黒なんだという説明に
納得が行くはずも無い
保管されたグラニュー糖なら 一寸の躊躇もせずに
溶けていく事で一体になれると
喜んでいるようだ
だけど
此処プラットホームの傾向からして
向こうまで見える青の景色に感情移入することは
グラニュー糖の気持ちとは違う気がする
地平線以上 境界線以下
空を飛べたらいいのに
なんて思考は行き過ぎている
事実に例えが追いつかないのは
僕だって知っているつもりだけど
例えが事実に追いつく日を
密かに待ち望んだりしている
そんな矛盾に比例するような
ワンダーをいつでも探している
「間もなく発車致します
お乗りのお客様は至急―」
後ろを見て見ぬフリするのは
やっぱり辛いもんだ
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