飛行訓練/木葉 揺
 
どうしても空を飛びたいらしいので
象が踏んでも割れない筆箱をあげると
「二郎さーん!」と言って地面に投げつけた

私は冷や汗をかきながら
「確かに弟ができたら二郎と名付けるつもりでした」
と答えると、赤鬼は大声で泣いた
どうやら青鬼の優しさがやっとわかったらしい

仕方がないから、筆箱をアフリカに返そうと
宛先を書いていると
泣きながら赤鬼が「おれ耳短いぜ」と言うので
ハッと我に返った

「サッカーするしかないのか・・・」

それなら、茨城弁をマスターしなければならない
とりあえず赤鬼と水戸へ向かって歩き
頭の後ろから何か飛び出す感覚を大事にした

そのうち
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