寺山修司/天野茂典
 
から振る手が見えた
  

  東北弁がつばきのように散っていた
  寺山修司は一人一番後ろの壁に凭れてステージをみていた
  かるく腕組みをしていた 存在感があった
  寺山ワールドのにぎやかさはなかった
  顔も幾分蒼白でオーデイエンスにまぎれこんでいた


  寺山コンプレックス 孤独だから人は声をかけるのだ
  渋谷西武4階駐車場400人ポエトリー・リーディング会場
  活躍中の詩人をおおくみかけたがなぜか
  寺山修司が貝柱のようだった






             2004・11・14
   グループ"四文字熟語"
   Point(8)