月夜回想/LEO
 
んなものが映った
ある人は重い荷を背負いながら笑っていた
ある人は手を叩いて泣いていた
子供は泳ぎながら歌をうたっていた
猫は鈴をくわえて鼠を追っていた
烏が濡れた羽を見せびらかしていた
骨だけの魚が波うち際で右往左往していた
様々な欠片に苦しみは戸惑いへと変わった

最後の月夜の晩 僕は恋をした
その前ではとても安らいだ
満月を知りもしないのに
恋した君に満月を語って聞かせた
恋した君は満月を知っているのに
僕の話しに黙って微笑み頷いた
何故だか僕は悲しくなった

夜空に月が見えなくなった晩 僕は途方に暮れた
まだ見ぬ満月を見たくて
拾い集めた欠片を並べてみた
何日かして 歪んだ三日月が夜空に浮かんだ

それでも 君は微笑んでいた
 




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