夜半麻酔/霜天
 
どうにも身動きが取れなくなる私の
胸の上のあたりで、座っている息苦しさは
行進の仕方を忘れて
隊列に戻れなくなっている
らしい

それは確かにそこに存在しているので



手を頭の後ろに置いて
甘えてくる夢と
甘えたくなる記憶とに
混ざり合うようにして、巻き込まれていく
白い音、白い空
このあたりの景色では
暖かいものが紛れ込むようで
とりあえずそれを春、と呼んでおいて
目を閉じる

酔うような足取りで
私は確かに泳いでいる



酔い覚めのような曖昧さで
私の、腕に残っている痺れは
もうずっと
遠い頃から刻まれているような確かさで
私の芯にまで、じわじわと広がっていく
ぼんやりとした、息苦しさに押されるようにして
私はもう一度
目を、閉じる
   グループ"四文字熟語"
   Point(6)