銀杏並木/ベンジャミン
手をつなぐように立ち並ぶ
銀杏並木の下を歩く
影踏みをしながら
陽射しを避けて木漏れ日をぬう
揺らめくカーテンの折り目に隠れるように
柔らかい幹に身体をあずければ
背中から伝わる
静かな流れが聞こえてきそうで
目を閉じてみる
上へ上へと
吸い上げられてゆくものたちは
やがてそれぞれの手のひらから放たれ
その循環は繰り返される
小さな営みが寄り添いながら
それがまっすぐにつながっている
目を開け
銀杏並木の下を歩く
忘れてしまいそうな言葉を呟いてみる
抱え込んでいた腕を伸ばし
前へ前へと
進もうとするとき
一枚の葉が
わたしの肩に降りたとうとしていた
まだ萎れるには早い
蒼い手のひらが
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