体裁文学/Monk
 

死んだ男の指はわずかに届いていない
部屋中の椅子は壊滅している
わずかに弦が震え、時計が灰となり崩れ落ちてゆく



私は道端に勝手に倒れている
いつかの処女が話しかけてくる
以前よりひとまわり太っている
「あたしの魅力があなたに解って?」
私は顔をあげることすらしない
地面には苺のジャムの固まりがボタボタと落ち
蟻が押しつぶされて死んでいる
いまだ名前を知らされない処女は苛立ち
糖分にまみれた指でペニスをしごきだす
私はひどく腹が減ってしまう
射精する気もなく
すばやくその手首から先を切り取る
これでだいたいの物が揃う



新たな部屋の購入を考える
翌日には部屋の窓枠を取り外し引きずっている
その後ろから4,5人がついてくる
最後に感動的な歌を思いつき
署名とともに巻末に書きつける
隣町から大量の拍手が聞こえる
同時に鳥の群れが頭上に飛来し
次々に油に汚れた紙幣となって降り注ぐ



   グループ"四文字熟語"
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