安全海域/るるりら
安全な海域ってどんな うねりなのだろう
私の父は泳ぎの得意な人だ
溺れてまともじゃない子を抱きかかえて海を渡れるほどの人
父さえいてくれれば
私の海は保証されていた
その海はずっと続いているようで
人は見えない線を海に引いているのだという
不思議な話
安全海域、どのような色で うねっているのだろう
暗いのか明るいのか安全海域
父が、私の海を保証していてくれた頃、父は静かに呟く寡黙な人だった。
ふたりで毎日、海に言ったのに、覚えているつぶやきは、ふたつだけ。
ひとつ目のつぶやき。「手で漕ぎ足で漕ぎ えら呼吸ができるようになるほど泳いだとしても
手に負えない大きな
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