少年兵器/AKiHiCo
背中に組み込まれたプログラムが静かに動き出す
螺子が音を立てて動き出す
体内で何かが変わろうとしている
生まれる前からの記憶が蘇る、今
僕の心はもうすぐ消えてしまう
今までの思い出を振り切って立ち上がろう
皮膚を突き破ってゆっくり露になる鋼鉄の翼で
僕は空を滑るように駆け抜けるであろう
この激痛に耐えながら一つの駒でしかない
それを理解しながらなぜ動き出せない自分がいるのだろう
早く感情さえ消えてくれたなら痛みさえ感じなくなる
僕の過去の思い出など彼等には関係ない
兵器になりつつあるこの身体
誰も傍には寄り付かないで遠くて僕の涙を見ている
望まない抗いへともう直飛び立つ僕は兵器になる
背中なら埋もれていた羽が広がって
今まで生きてきた意味を全て否定するように
僕に特攻命令が下された
全ての兵器としての僕が動き出す
この羽を広げれば心は鉛へと変わる
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