飽和生活/捨持
リモコンを手にして、わたしのそばの花を見つめる。蝉の声と曇り空が、わたしのそばに向かってくる。冷蔵庫の音がそばのグラスにあたって、カラカラと、今まで聞いたことのないような変な音になっている。
「いつになったら ほんとうのことが わかるのかしら」
「いつまでも それはわからないし りかいしようともできないし」
机の上の家の鍵が、わたしの方向を向いて、ここから出るために、待っている。1つ2つと待っている。冷えたコーヒが、取っ手のないカップに入れられて、次にわたしがそれを飲むわけでもなく置いてある。
「きづかいなし よ」
「しばらく ほっといて よ」
わたしは 走る走る、走る。逃げていないよなにからも逃げていないよ、これは本当だよ、なにも逃げてないよ。ここにいるよ、ここにいるよだれもしらないかもしれないけどここにいるよだれもしらないかもしれないけど。
夢から覚める。今見た夢は、父親と電話で話すわたし。
だけど、ドラックつかって、奇声をあげでいるわたし。
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