導眠妄想/松本 卓也
誰かしらは闇と形容し
誰かしらは安らぎと語る
晒された精神が彷徨う世界
ただ微かに言える事
微笑みの世界に取り残され
川原に積み上げた石を眺めた
泣きじゃくる童に道を尋ねる
顔も向けず指差した先
進んだ場所は輝かしい闇
何処も見ていない視線が
不確かな明日を願うから
酷い頭痛が湧き上がる
聳える壁に浮かんだ日食
指に嵌めれそうなほど小さく
手を伸ばすほど感じる冷たさに
口の端を歪めてみせる
もしも夢と言うものが
僕の心を映しているのなら
瞼に貼り付けた幻想世界を
きっと見せてくれるだろう
だからどうか教えてくれ
描いた心象に身を委ねるほどに
意味の無い夢でも見なければ
救われない孤独はあるのだから
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