夜半体温/霜天
眠る、寸前の浅い水温に
浸す指先の薄い心音
誰かが残していった空間の
点と線と、構成しているすべてを
場所も、時間も、爪先が触れているうちに
遠くに行かない、そのために
世界はきっと正確に
君へさよならとおはよう、を繰り返す
僕が輪郭に触れたがるのは
夜明けへ向かう水温の
冷たいことを知っているから
再構築、する
とりあえず寄せ集めて
手のひらの集中で、体温を測る
それはいつかよりもまだ遠くて
眠れない人がいることを、どこかに
夜の途中で
体温、繋がらなくても
空は満水に程遠い
誰かが残していった空間の
いつか戻る、体温を探している
薄い心音がおはよう、と言う
繰り返す言葉の着地点は
今も、決まらないまま
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