強迫観念/結城 森士
うとしない
これは無意識の夢中なのだこれは
む、む、無意識の夢中なのだ
天井の黒い染みが
僕を観察している
押入れの内に潜み
激しく叩く
音が聞こえる
ガラス窓の向こうで
笑っている
そんな影が
見える…
?.時折、天井は僕を潰す
僕は汗だくで目を覚ます
時折、電燈は不意に消える
そんなことは始めから知っていた
扉の向こうから叩く音が聞こえる
助けを呼んでいる僕は行かなくては
僕が助けを呼んでいるああ、今、行く
この小さな部屋の何処かで
助けを呼ぶ声が染み込んで
僕から離れようとしない
誰かが僕を見ている
これは無意識の夢だ
やがて地面の
眼差しの上に
死ぬ
時計の針は先程から進んでいない
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