安全第一/山崎 風雅
 
 止まることなく
 車輪は回り続けて
 
 今夜銭湯帰りの空の三日月は
 泣いてるように見えたのは何故?

 心の穢れを落とそうと
 湯船に浸かって体を洗い
 それでも落ちないと嘆いてたせい?

 心地よく心ゆくまで
 この身が雨に溶かされて
 海に流れ行くまで
 季節のラビリンスの中で
 僕は止まることなく
 車輪は回り続けるのだろうか?

 いつか辿りつくだろう
 いつか時代は気付くだろう

 休息を取る毎日で
 鋭気が養われてきた

 黒いマントのおじさんは
 紫色した夜空を舞って
 僕の元に来ても無駄だと分かって
 踵を返してマントを翻して帰ってしまった

 今日は安全に眠れそうだ
 三日月の涙を拭って寝よう






   グループ"四文字熟語"
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