午前八時/松本 涼
 
短く鳴く鳥たちが
午前八時の校庭で遊ぶ

焦げ茶の葉の大木も寝惚け気味の柳も
滑り台の隣でそれを眺めている

薄い墨を何度も引いたような空は
まるで暮れかけているようにも見えて
私はそっと此処から遠くなる

開きっぱなしの窓から凍えた空気が
温もりを欲しがって私へと流れ込む

私は手のひらを合わせて
朝の鼓動を静かに静かに
暖めはじめる
   グループ"四文字熟語"
   Point(7)