日光宝石/キメラ
オレはいそいで手をのばし
幻影はまぼろしをさしのべ
純粋なんて無垢なんて
信じてはいなかった
傷つけるようにまたきみを汚しながら
遭難した赤ん坊が啼きわめいている
今夜どこまでゆくの
もうわからない
クリアな微笑みを
きずを舐めあうように
せめぎあう裸体に
くるくる
くるくると
鼓動がどんどん速度をあげ
熱帯をまきこんでいるのが見えるか
ほこりっぽい大気すらかき消し
血流はパヴァーヌ
めの前にいるのは
きみだろう
どうでもいいほど日々が
こんなに泣いていたのはなぜだ
もうわからない
性交を終え
安堵のきみを
ゆかに投げたおしすぐまた犯す
さよなら
さよなら
あしたになる前に
きみになにを伝えよう
星輪に天使の雨水が無音をきりつけ
君にひざまずき
つめたい足先に
きす
もうすぐ
きらきら赦しがおりてくる
そんなことわかっていた
わかっていたはずなのに
だきしめて呉れ
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