四次酔論/ねなぎ
いて
目の裏が熱いほどに
くらくらとしていた
どこかで
音が鳴っている
泣きたくなるような
音は
放送の音だ
なら
多分
今は夕方なんだろう
目蓋が赤い
火照るように
体が痛い
どこに
居たのだろうか
空が見える
丁度
中間の色の空
それは
混じらない色
芝生が
ちくちくとして
僕は起き上がる
誰かが呼んでいる
気がしている
起き上がると
息が荒い
何故かは
良く解らない
気が付けば
土手で座っていた
眠っていたのだろうか
覚えていない
体に付いた
葉を払っていると
誰かが呼ぶ声がまたした
振り向くと
遠くの橋の方で
誰かが呼んでいる
でも夕焼けに照らされて
顔が見えない
影ぼうしが
手を振っている
帰らなければと思った
影がゆっくりと
消えて行くように
土手を下って行く
帰らなければ
きっと
帰れなくなってしまう
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