天衣無縫/相良ゆう
 
吟』といい、此の羽衣の名は『無縫の天衣』といいます

  あなたも知っているでしょう 言葉で紡ぎ その旋律で舞うものたちのことを

   しかしその本質を知るものは少ないのです」







美しく舞い昇天していく天女に魅入られ 憧れに近い嫉妬を抱きながら 不意に溢れる涙

 何故か分からぬまま ふと気づく 彼女の舞こそが「本質」なのだと

  そして此の涙は 私が本質から余りにも離れているがために・・・

   そのことを知ってしまったがために・・・



「此の羽衣は 得るものではなく 与えられるもの

  此の舞は 己のためではなく 他がために踏むもの

   今も昔も 命は此処に 
    
    此処より永久に 

     つながっているものなのよ」





ある日 空から降りてきた天女が落したものは

 見えない糸で紡がれた 不思議なふしぎな無縫の羽衣
   グループ"四文字熟語"
   Point(3)