その海から(DIVA)/
たもつ
木陰に砂糖菓子のような
駅をつくって
少女は列車を待ってる
関連づけられるものと
関連づけられないものとが
交互に、時には順序をかえて
やってくる
皮膚に触れば
それは風のことだと思う
力なく首のくずれる子犬は
数少ない死の経験であり
やがてはそのうちのひとつ
になるにちがいなかった
列車が来るまで少女は歌う
楽しげな童謡もあったが
知っているすべてを
歌うしかなかった
前
次
グループ"詩群「その海から」"
編
削
Point
(9)