虚偽と忘却のエピソード/atsuchan69
ない。洗脳は、今朝の出来事を虚偽の記憶とすりかえるだけだ」
「わたしは、どうなる?」
「たぶん、何もない。君がよほど社会的に大きな影響力を持たないかぎりは。ただし、それに関する発言、とくにネット上の書き込み等は一切しないほうがいい。周辺住民はとうぶん、緩いながらも政府公認機関の監視下にあるからね」
「それ。お前の話じゃなかったら、とても信じられない内容だな」
「もっと知りたいかい? ――今から会えるなら詳しく教えてあげられるけど」
でも、今日は昼すぎからとても大事な商談が‥‥と、言いかけてやめた。
「ああ、たった今から行くよ。それがたとえ宇宙の果てだとしてもな」
さっそ
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