マルセイユの傷/英水
白い踵がタクトを踏むと
自分を見失った岩が、海から大きく手を伸ばして
意見を表明した
葬送へはまだ早い、あと一時間の休息が必要だ
最後のカーブ
停止線へのボタンを押すと
僕たちは水の棲みかへと勢いよく飛び込んだ
あのトキ、水は少し狂っていて 僕を刺した
流れ出す血を水へ還すことを僕は拒否し
それからというもの 鮫は陸へ上がって僕を探し
徘徊することになった
連鎖へのオマージュ、そしてそれでも僕は朝食にトーストを食べる
水中はあらゆる場所で
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