駅・東京/たりぽん(大理 奔)
 

九番線、午前六時四十二分。急行「銀河」はEFに牽かれ


 終着駅に東京駅を選ぶのは、旅として最悪の結末だ。それは旅人がこのホームに立ったとたんに旅が死んでいくから。地下深くにまで用意された28本もの番線はまるでカタコンベだ。死蝋と化した者達が迫害を逃れ、定時の礼拝を繰り返している。すべてのレールはどこも左右で対になっているし、その気になれば自由に走れるのであろうけれども列車は膨大なダイヤフラムにのっとってそれぞれにふさわしいと決めつけられた行き先と速度で、それぞれにふさわしいと決めつけられた停車駅を経由していく。そして、東京駅を通る人生
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