駅・江波/たりぽん(大理 奔)
 

北風が寒くて
少し震えても抱く肩もないから
観音様の脇から小さな漁港にむかって
斜面に張り付く集落の
路地を小走りに駆け下りる
(犬がワンワン吠えている)
なにか海臭い生き物の匂いが
工事中の高速道路をさえぎっている

振り返って気象台を見上げる
どこまで遠くが見えるのかな
そんな独り言にはおかまいなく
横川行きのパンタグラフが
ビシッと激しくスパークすると
また君を思い出す
(もうすぐ山桜かな)

今日は川沿いを歩いて帰ろう



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