駅・大阪港/たりぽん(大理 奔)
 
流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
 
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマストが
逆光を影に横切る時刻

きれいに染まりたいと
流れていった
はやりうたみたいな
わかりやすい日記帳
ギラリとする波間に

  アクリルの巨大な檻の中で
  さかなたちが夢見る
  遠い海につながる夢
  すべてが満たされる
  ながれていくものたちで
  みたされる長い、ながいゆめ

たどりついたかどうかを
ふたり、確かめたくて

  どこにもたどりつかない
  みたされた海


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