13、通り雨 【とおりあめ】/
雨宮 之人
入道雲が 気紛れに
夕暮れた街を したたかに撃つ
「アタマ 冷やせよ」と
のぼせあがった 街を撃つ
その雨やみを待つ屋根の下
ため息を 吐く者がいる
その雨に撃たれて
泣かない子供を 抱き締める者がいる
誰もが誰をも笑えない
稲光(いなびかり) 街を震わせて
シルエットを焼き付ける 黒猫のような
切り取られて 錆びた空見上げ
それでも雨がやめば
虹が 見えるかな
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