17、宇宙 【うちゅう】/雨宮 之人
 
見るすべのない
その果ては
限りない過去で
追い付けない未来

この一文字(ひともじ)
この一刹那(いっせつな)にも
病的な単位
重なって 読めなくなる距離

辿る道の途中 ぽつりと
「僕は 生きている」
―――――温もりが 確証の芽を吹く

その矮小なる 存在の有無
気付いたら 泣いていたんだ
嗚呼 この 地球上で
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