51、路地 【ろじ】/雨宮 之人
 
西日 照らされた住宅街
傾いた影は 次第に伸びて
視線の先の曲がり角
出くわしてみたい 逢魔が時(おうまがとき)

路地裏の猫は知っている
坂道を上ると
いつも佇んでいる
相変わらず 夕景に溶け込むオレンジバック

階段を下ると
向こうから見上げる視線
相変わらず 笑ったような口元

例えばこれが 日常のワンシーン
路地裏への入り口 好奇心で訪れた小路
伸びた影が 手招きをしていた
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