54、堤防 【ていぼう】/
雨宮 之人
夕暮れの放課後
自転車をこいで 風と
堤防の道 駆けた
もう忘れかけた 甘酸っぱい思い出
堤防を溢れんばかりの
青春という奔流は
あの頃
何人の少年を大人にして
架かる橋の上から夕日を
夏の終わりの花火を
笑い飛ばして いつか泣いた
やり場の無い後悔も 無力感も
風と太陽が いつも優しく
あの道は今も 自転車が通う
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