60、アスファルト 【あすふぁると】/
雨宮 之人
都市
その足元は黒に染まる
灼けては、また凍える
現代の 大地とでも呼べるだろう
黒くなった三億の悠久
忘れられて
尊くも足下 誰も
誰も、考えはしないで
あんまり痛くて、裸足では
それで、やむなく履いた靴の裏
シダ植物は 泣いていた
街
グレースケールに暮れ
敷き詰められた 悲しみの上
前
次
グループ"字書きさんに100のお題"
編
削
Point
(8)