62、嘘 【うそ】/
雨宮 之人
音を立てて 虹は崩れる
思い描いた理想が
心の弱さで 淡く消える
十字架は、貴方には背負えなかった
いつかの嘘は晒され
最後まで 隠せたなら、あるいは?
しかし背負えなかった十字架は
ダッチロールを、繰り返す
ガラスのように
割れた理想は凶器にもなる
プリズムは、あの日から虹を写さない
冷える夜のただ中に
私の夢は沈んでいる
十字架に 深く、深く打ち付けられて
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