７１、積み上げる 【つみあげる】/雨宮 之人
保育所に通っていた頃
家で、積み木を積んで遊んでいたっけ
積んで、積んで、積み上げて
だけどそれは、バベルの塔ほどではなかった
小学校に上がって
年を重ねることを覚えた
それからアタマを使うことを覚えた
そして、私は限りがあることを知った
中学、高校と
心と日々を、重ねることを覚えた
けれど積み木を積み上げることは、もうなくなっていた
今は２００７年の１月だが
今まで積み上げたのは何だろうな
空はなんだか、近くなった気がしているのだけれど
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