79、反旗を翻す 【はんきをひるがえす】/雨宮 之人
 
それは鬨(とき)の声
感情が地鳴りとともに疾駆して
旗が塗り替えられる
さぁ今、ダイスは転がされて

詮無い口実でよかった
まこと正しい正義など、初めから
どこそこにあると、誰が教えてくれた?
この空を、この手で今 違う色に染める

夕暮れ風が吹き抜けて
紅色(くれないいろ)して雲は流れて
染まった小川がさらさらと

土ぼこりと、砂煙の向こう
揺れる旗の音
こうしてまたひとつの永遠が、産声を上げて
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