アクアダイバー/モリマサ公
 
砂のようなものがあたまのなかにながれこんでくる
みんな同じ顔をして街中で同じことをいっている
聞こえる
テレビがさらに同じことをいって
今度は同じ顔でみんな
違う事をいってる
さっきとちがう
不安だ
どこかで間違えたのかもしれない
誰も信じられない




濡れている地面を
数を数えながら一歩ずつはじいていく
はじくたびに足の裏がわから波紋がでてくる
地上という大きなかがみの湖にどこまでもひろがっていくどこまでも



飼いならされてまるまるとした悲しみや痛みや孤独が鼻を鳴らして近づいてくる
餌をまき散らすたびに群れがおしよせて
てのひらから大切なもの
[次のページ]
   グループ"■ 現代詩フォーラム詩集 2006 ■"
   Point(24)