海岸沿いを/水在らあらあ
 


おれは歩いていた

いつもどおりの海岸沿いを

おれは歩いていた

いつもどおり美しい海岸沿いを歩いているのにおれは

おれは海が見えなかったちっともおれには

おれには唇を風が

風が塩っ辛く撫ぜてゆくのが

不愉快だった

波が

潮風が

カモメが

そして隣にはおまえがいるはずだった

おまえが

歩いていてくれているはずだった海が

見えないのと同じようにおれには

おまえも

見えなかった

そうだちっとも見えないんだおまえがおれには

それが本当に悲しかった

いつもどおり美しい海岸沿いをおまえと一緒
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  グループ"■ 現代詩フォーラム詩集 2006 ■"
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