ピセラン ポエリア 鳥の歌/もも うさぎ
水はそこにはないのに
反射するだけの水音が 揺れる光を救い出したとき
あなたの背後に 人魚はいる
ピセラン ポエリア 鳥の歌
鏡職人の娘は 結婚式を明日に控え
鏡の迷路の部屋の中で 群青色の夜に泣く
幽霊のような秘め事をすべて 睫毛と鏡の間に隠して
写真立ての中へ お嫁に行く
ピセラン ポエリア 鳥の歌
あなたに触れたい
それをおさえるためだけに 詩を書く
それをおさえるためだけに 眠り薬を飲んで 死んでしまう
ピセラン ポエリア 鳥の歌
大昔の映写機を かたかた廻すのがお得意
壁にとまることも
[次のページ]
次 グループ"■ 現代詩フォーラム詩集 2006 ■"
編 削 Point(25)