ノエル/ふるる
 
部屋にあった服のいくつかは      
わたしに合わないものでした

一番うえの兄のことを
二番目の兄が幾度も   
同じように語るのを
わたしたちは
雪の音をききながら
気にしました

弟と妹は手と手を重ね合わせ   
指の長さを比べました
どちらが長かったのか
今はもうわかりません 

食べ物のことを誰も気にしませんでした
食べ物は口をあければ自然と
入ってくるものだったのでしょう 

ハーモニカの音がだんだん聞こえなくなり

ました   

ペットのインコを誰が食べるのか
みんなで分けるのか  
話し合いがもたれる時間です

誰かが泣けば
胸や背中が貸されました

誰かが死ねば  
胸が潰れました




   グループ"?不思議シリーズ?"
   Point(8)