ノエル/ふるる
部屋にあった服のいくつかは
わたしに合わないものでした
一番うえの兄のことを
二番目の兄が幾度も
同じように語るのを
わたしたちは
雪の音をききながら
気にしました
弟と妹は手と手を重ね合わせ
指の長さを比べました
どちらが長かったのか
今はもうわかりません
食べ物のことを誰も気にしませんでした
食べ物は口をあければ自然と
入ってくるものだったのでしょう
ハーモニカの音がだんだん聞こえなくなり
ました
ペットのインコを誰が食べるのか
みんなで分けるのか
話し合いがもたれる時間です
誰かが泣けば
胸や背中が貸されました
誰かが死ねば
胸が潰れました
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