清純エゴイスト/愛心
さよなら
無機質な電話の切断音が耳を突く。
彼の優しい声音を思い出しながら その最後の一言を口の中で反復する。
ふと 喉の奥で焼け焦げるような熱を感じた。
痛い。 こぽり。 溢れたのは 掠れた嗚咽。
窓を叩く雨音。
何時の間に降ったんだろう。
熱を持ったケータイを握りしめたまま 思わず目を向ける。
水滴塗れのガラスに 泣き腫らしたわたしの顔が滲んで浮かんでいた。
真っ赤な顔 真っ赤な目 真っ赤な耳
色っぽくなんてない。痛々しいくらい 醜いだけ。
愛してる。 愛してる。 まだ愛してる。
嫉妬も 情欲も
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