【短歌祭参加作品】マシュマリズム/ピッピ
「ナオトいる？昨日もらったシャンプーさ、髪合わなくて剃髪したの」
血塗れになっても奏で続けるのファしか出せないピンクのミシン
にんにくを割ってでてきたひよこたち嫌いなものはガスコンロの燈
腕組めばこのいきものは舌二枚歌い出したら耳をふさいで
たいちょうのさいごの指令「燃えるとき、一瞬星になるから、見てて
今日はこの間違いだらけのさんすうの教科書を全部おぼえて帰れ
写真には“まだ寒いね”のひとことと砂糖まみれの君の微笑み
「ジャージなど着るな」と姫におかんむり執事は釦を嗅ぐのがお好き
赤いのは蠍の鼻血。織姫の乳房が見える場所にいるから
東京の海が見たくて壁に貼りすぎてしまった青ダイオード
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