tegami/はらだまさる
 





  手紙のうえを 匍匐する 春の補色残像と 虚飾で
  ペン先が 紙を愛撫する この前頭葉には 潤いが
              どうも足りず 西洋風の
  横書きだと ぎっちょの お陰で 犬が這い回って
  手が汚れるからと 君は 
  縦に ペンを走らせては 咽喉を ぐう、と鳴らす
              小さな音を 夜の海の中
  眼鏡を外し その微熱を 見えない糸で 吊り上げ
  両目に押当て 少し休む 
              キミドリと ピンク色の
  速度と方向と 温度だけ ふたつのグラスに 注ぐ
  それだ
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   グループ"Double image"
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