降り来る言葉 ?/木立 悟
 


白 灰 午後 虹
放られたままに響く冬
窓に映る野を馳せる
手のなかの声 粒の声
まわる色 重なる色
水に濡れた小さな神話の
終わりとはじまり


陽から降りつづける雪を
見つめすぎて泣いた日に
白と道と冷たさが
雪から離れ はばたいて
円とらせんの行方を昇る
雪はまわりながら天使の名を呼び
降り積もりながら地使の名を呼ぶ


そら そら 空  満ちるはひとり
そら そら 空  ひとりは満ちる


ひろい光の虚ろから
金に織られた水たまり
羽の生まれる泉から
雪あかりの輪にかがやく背
小さな羽に満ちた道を
痛みを忘れず駆けて
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