降り来る言葉 LVII/
木立 悟
は砕け
水のままの空のかけら
寸分違わぬ光に沈む
灰と緑の枝の節
標を嬲る風を聴いていた
果てては重なり
崩れるひとりを聴いていた
琥珀の冬のゆがみを眺め
しゃぼんの息を
川の流れの反対へ吹き
あなたはあなたしかいないように笑む
氷に阻まれ
舟は止まる
蒼の下の午後と三角
見つめるものを 見つめ返す
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