読書スタイルについて/ななひと
 
かわからないものに出会うのであり、しかもその価値を決めるのはまぎれもない自分なのである。自分しか読書の基準は持ち得ないのである。そして自分は絶対の存在ではない。だから、作品とは流れ作業で流され読まされるものではなく、ひとつひとつが出会いなのである。もちろん無駄なであいかもしれない。しかしそれも、自分にとってであって他人にとってはそうでないかもしれない。あくまでも自分の問題としてその読書体験を心に刻むべきだ。私たちは限りない情報の中でむしろ五里霧中状態に陥っている。それを、「必読書100」なんかで補うのはナンセンスだ。我々は五里霧中にいることを自覚しつつ、五里霧中の中で自分だけに通用する価値体系を作らねばならない。「読まされる」読書ほどつまらないものはない。なにも「読ませる」のは先生だとかえらい人ではない。自分が自分に「読まなきゃ」という枷をはめた時点で、その人は「読まれて」しまうのだ。我々は「読ま」なければならない。










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