二つ折りの恋/たりぽん(大理 奔)
名前のあるものを信じない
だからまず、二人
名前を捨てた
形のあるものを信じない
美しさだけを模倣する
仄(ほの)かな星行灯(プラネタリウム)をとざして
境界をつくるものを信じない
暦、そして星座の運行
数えてきた時間を砕く
ぬくもりの意味を、名前で呼ばず
最後にぬくもりだけが
そこに残る
旅路の果てで針先を見続けるような
あなたとの恋
あなたの正体は
二つ折りの携帯電話に
挟まったまま
一番遠いところからはじめよう
と思うあなたとの恋
2005-09-10 未詩投稿「 恋 」改稿
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