天王寺動物園に動物を見に行く/
たりぽん(大理 奔)
は微笑む
さあ
そして閉園の時間が来て
動物園のない町への
小さな旅路のはじまりで
窓鏡に不鮮明に映る自身
檻も堀もないのに野生でいられない
それが最後に観察した動物
そんな僕の両手を取り合い
無邪気な君と君の子供
いつしかランプのぬくもりが
この身を焼くだろう
野焼きに捨てられる
案山子のように焦がれて
それでも
それでも
それでも
それでも
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