防砂林の約束/たりぽん(大理 奔)
 
  信じて強くなると
  君は榴花色の口紅で
  グラスの縁を彩って
  それは渡航への朱印
  暗く激しい海流を渡っていく
  見知らぬ海鳥の呼ぶこえ

さきほどから
波のこえが聞こえる
海のちかくまで
じゃまなのは砂と太陽

  葡萄、のどが渇いたら
  それがいい

ああ、そこは
砂漠じゃない
体から
砂に染みこんでいくものが
夢であれば
終わることはあっても
失わない、そう信じれば

  約束より
  傷つけない
  夢は
  嘘より上手に
  防砂林の枝に
  ぶら下がって 




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