「白雪姫とベンジャミン」/ベンジャミン
 

しかしベンジャミンは、白雪姫の幸せを祈る気持ちまで失ってはいなかったのです。ですから、こうして毎日かかさず様子を見に来ているのでした。

ある日、ベンジャミンが森の外の畑で働いていると、知り合いのゴブリンが息をはずませて話しかけてきました。
「ベンジャミン!俺はすごい話を聞いたぞ。白雪姫の眠りを覚ます方法だ!」
ベンジャミンは驚いて、持っていた道具を放り投げて耳を傾けました。
ところがその方法というのは、聞けば実は大変恐ろしい内容だったのです。
「小人の心臓を銀のナイフで突き刺して血をあたえよ」
それが、目覚めさせる方法でした。
ベンジャミンは悩みました。白雪
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