桜の木の下で/
ベンジャミン
された花園だというように
傾く陽の動きさえも
花色を変えるためだけにありました
春ですから
沸き立つような水辺の陽だまりに
片足だけをのばして小さな影をつくる
あなたの
少しふざけた仕草さえ
景色に溶け込ませてしまうのはもう
仕方のないことですね
あきらめたように少し先を歩き
からかってくる桜の枝をかきわけながら
進む私のあとを
あなたは小走りで追い駆けてきます
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グループ"テーマ詩「月の詩(ウタ)」"
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